中国の公式PMI製造業景況感が急低下している。中国PMIは公式(国家統計局・NBS統計)とCAIXIN(民間メディア・財新統計、旧HSBC PMI)の二つがあり、前者は国有企業や大企業が多く、後者は民間の中小企業が広くカバーされていると言われる。従って基本的に公式の方が景況感が良いが、今回は公式の方が急低下を見せている。
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(製造業PMI。上が公式、下が財新)

    中国の製造業PMIを振り返ると、財新の方がわかりやすいが、2016年後半から2017年春の不動産投資主導の強いラリーから、2017年夏に金融引締めで一度落ち込みを見せ、その後金融引締めに耐えて高原状のチャートを作り続けていた。

 不動産ブームは去り、冬の間は大気汚染対策で政府の規制が厳しくなるのである意味普通な結果だが、12月が良かっただけにややネガティブサプライズである。もっとも、日本もそうだが中国は常に景況感アンケートの結果が今ひとつであり、たとえば中国のPMIが50を割れるのと米国のISMが50を割れるのとではインパクトが違う。しかし、それでも急激な落ち込みである。常に公式より悪い財新PMIは今度どこまで落ち込むのだろうかと心配させる。

    似たような指標としてPPIを確認すると、こちらは金融引締めによりさらに早い段階から落込みが始まっている。
PPI
 中国の製造業PMIと米国のISM製造業は非常に似たようなチャートを描いてきたので、トランプ減税の効果が剥落すると米国ISM製造業(下図)も低下トレンドに入る可能性がある。
ISM manu
    いずれにしても3/1に発表される財新の方の製造業PMIに注目である。こちらが公式と逆転するような巡航速度の数字ならこの話は無かったことになるだろうが、果たして。

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