金利とセンチメントから資産価格を考えるブログ

毎朝更新の予定。主に日米金利、ドル円、先進国株インデックスについて。視点は経済指標、地政学、センチメント、需給、テクニカルなどもろもろ。@shenmacro

カテゴリ:レポート記事 > 投資一般

 昨日の記事で触れたVIX急騰事件は、VIXを参照した投資のロスカットを狙ったものなので、株式現物市場から切り離されたVIX界のコップの中の嵐で終わるはずだった。しかし、結果的にVIXの急上昇は株式指数にも大きなフィードバックをもたらしており、持ち上げられたVIXが株式指数の急落を招いたためいわば自己実現している。VIX界と現物界の間に架け橋が存在したからだ。リスクパリティと呼ばれる運用戦略が、VIXが上昇すると株式をぶん投げるのである。

 リスクパリティはリーマンショック後に脚光を浴び始め、近年最も成功したファンドの一つとすら言われている。ところが今回、こちらの日経の記事ではリスクパリティファンドを「変動指数に火を付けられた19兆円の爆薬庫」と名指ししている。また、リスクパリティファンドがあのリーマンショック以来悪名高いCTAと共に「2000億ドルの世界株を売却する過程にある」などと言われており、すっかり株式指数下落の戦犯という扱いになっている。

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    ゴルディロックだったはずの株式相場が急に荒れ出している。この裏で、デリバティブを裏付けとした一部の投資商品は断崖のようなチャートを描き、投資家は1日にして元本の95%以上を失っている。悩んだり胃が痛くなる暇もなかった。
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クレディ・スイスが組成するXIVの推移。
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S&P 500
 米株が狂い上げしている。去年から景気循環調整後の株価収益率(CAPE Ratio, 俗に言うシラーPER)が30を超え、割高であると言い出す人が増えているが、2018年に入って割高なものがどんどん上昇して更に割高になっている。続きを読む

FSA

 金融庁暴露本の著者が、コラム形式で世の中の投資話に一個一個ダメ出ししていくスタイルの本をまた出している。仮想通貨やICOを含めた、我々の視野に入っている最新の投資先の大半が網羅されていて驚いた。金融庁の中の人はここまで調べ上げているのか。ライフハックとしても役に立ちそうなので、ネタバレにならない程度にまとめてみた。小噺は飛ばしている。続きを読む

 最後に金利と為替。2017年は明らかな利上げサイクルに入ったにもかかわらず米長期金利は上がらず、ドル全面安になったことが最大のサプライズであった。米金利は年初はトランプ相場によるリフレ期待で上がり続けたが、3月に金融庁が本邦地銀の米国債投資に危機感を持った2.6%が天井(債券価格の底)で、そこからは2.0 -2.4のレンジだった。短期金利は素直に右肩上がりだったが、長期金利はCPIの低迷もあってピクリとも動かず、フラットニングが進んだ。

 円金利は日銀の誘導通り0%近辺での推移。一年間で金利水準を維持するために日銀が使った国債買入れ量の減少(ステルステーパリング)が目立ったものの、政策変更はなかった。
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米国10年金利
2-10
米国2-10スプレッド
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米国10年ブレークイーブン 
us inflation
米国コアCPI
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 次に株価。2017年初頭に書いた記事では今は2006年と規定したが、その見方は今でも変わっていない。株は想像よりも遥かに上がった。2017年は米国の金融引締めペースが早すぎないゴルディロックがメインテーマとなり、主要国指数は軒並み2〜3割の上昇を記録している。利上げ局面で慎重となった投資家は多いと思われるが、こちらは裏目に出た形となる。思えば、サブプライムショック前の利上げ局面でも米株は上昇トレンドだった。同じ株買いでも煽り屋に乗っかってハイボラティリティ株に挑んだ参加者はボラティリティ・アノマリー通りに苦戦し、素直に大手証券の営業マンの勧めに従って大手企業が多い投信を購入した参加者は負ける方が難しかった。
MSCI
米ドル建て各国MSCI指数プライスリターン。日本株は円高でも健闘したため、ドル建てリターンでは米株に勝っている。続きを読む

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 証券投資でインデックスに勝つのはとても大変難しいとされている。これは1970年のユージン・ファーマ教授(2013年ノーベル賞受賞)が提起した、誰もが他者に継続的に勝つことはできないという効率的市場仮説でも裏付けられており、世の中のアクティブファンドの期待リターンはせいぜい、インデックスのメソドロジーが不合理にできている分の小銭を拾える程度である。
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金融庁「森独裁」に「キンドル砲」炸裂

首相官邸の覚えがめでたく異例の3期目に突入した金融庁の森信親長官――。菅義偉官房長官の「懐刀」として...

 金融庁の内情を暴露し、森長官を批判しているという本がKindleで出版されていて、一部でざわめきを呼んだ。森長官の下で金融庁は金融業界に対して精力的に口を出しており、3月には米国債のど底で米国債運用の検査を宣言して地銀をびびらせたりアパートローンカードローンと貸出の伸び悩みに苦しむ銀行の新たな収益策を次々と潰しに行ってきた。手数料ビジネスとしての投信販売のあり方をも厳しく批判してきた。それをおちょくり口調で痛快に解説しているものなので、一部の金融関係者が溜飲を下げている。

森信親長官の金融庁は金融機関をどうしたいのか? 
金融庁の次期長官はだれなのか? 
金融庁の基礎知識

 話題になっている本は3冊セットだが、我々のようなせいぜい投信を買ったり銀行株をチェックするくらいの一般投資家にとって大事なのは一冊目だろう。金融庁の組織や人事は興味がある人なら、というところである。なお、一字一句まで確認していないが、本を買わなくても大事なことは著者のブログにだいたい書いてあるという声もある。続きを読む

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