金利とセンチメントから資産価格を考えるブログ

毎朝更新の予定。主に日米金利、ドル円、先進国株インデックスについて。視点は経済指標、地政学、センチメント、需給、テクニカルなどもろもろ。@shenmacro

カテゴリ: レポート記事

 世界中が警戒した米国CPIが強めな数字となり、一方米国の小売売上高が予想よりも弱かったことから、急にスタグフレーションという言葉が飛び交い始めた。筆者に言わせるとたまたま同じタイミングで二つの数字が発表されたからにすぎないわけだが、ついこの間までデフレを心配していた市場参加者が一転してスタグフレーションを心配するようになるとは驚きである。なお念のためだが、米国のCPIは予想より強かったというだけで数字そのものは安定推移している。
US CPI

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 2018年2月に米株がクラッシュした理由として「米国の金利上昇」が挙げられている。しかし、米国の金融政策は今年になって急に引締め方向に転換したわけではない。サブプライムショックの経験からすると、金融政策の引締めの行きすぎ(現実のインフレ以上に利上げが激しい)で株がクラッシュしているなら、同時に金利カーブはフラットニングするはずだ。いわば「市場はFedよりも低インフレを正しく見通しており、Fedは失敗した」説である。ところが、今回クラッシュは金利カーブのスティープニングを伴っているという意味で珍しい。
US 2y 10y 続きを読む

 昨日の記事で触れたVIX急騰事件は、VIXを参照した投資のロスカットを狙ったものなので、株式現物市場から切り離されたVIX界のコップの中の嵐で終わるはずだった。しかし、結果的にVIXの急上昇は株式指数にも大きなフィードバックをもたらしており、持ち上げられたVIXが株式指数の急落を招いたためいわば自己実現している。VIX界と現物界の間に架け橋が存在したからだ。リスクパリティと呼ばれる運用戦略が、VIXが上昇すると株式をぶん投げるのである。

 リスクパリティはリーマンショック後に脚光を浴び始め、近年最も成功したファンドの一つとすら言われている。ところが今回、こちらの日経の記事ではリスクパリティファンドを「変動指数に火を付けられた19兆円の爆薬庫」と名指ししている。また、リスクパリティファンドがあのリーマンショック以来悪名高いCTAと共に「2000億ドルの世界株を売却する過程にある」などと言われており、すっかり株式指数下落の戦犯という扱いになっている。

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    ゴルディロックだったはずの株式相場が急に荒れ出している。この裏で、デリバティブを裏付けとした一部の投資商品は断崖のようなチャートを描き、投資家は1日にして元本の95%以上を失っている。悩んだり胃が痛くなる暇もなかった。
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クレディ・スイスが組成するXIVの推移。
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 米ドル相場と金利の乖離について、Fulcrum Asset Management会長のGAVYN DAVIESが今度はユーロドルに注目して解釈を与えている。曰く、世の中にはドルの弱さを長期均衡から見ての過大評価や、欧米間の経常収支で解説する向きがあるが、結局は政策金利(及びそれへの期待)の範囲内で説明可能だというのである。

Dollar weakness driven by monetary policy after all - FT
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S&P 500
 米株が狂い上げしている。去年から景気循環調整後の株価収益率(CAPE Ratio, 俗に言うシラーPER)が30を超え、割高であると言い出す人が増えているが、2018年に入って割高なものがどんどん上昇して更に割高になっている。続きを読む

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 長らくドル円と米国10年金利が連動すると思われていたのが、米国の税制改革可決以来、大きく乖離していることが話題になっている。筆者も2018年にドル円が110円を割ることはないだろうと思っていたのがわずか20日で外れてしまった。米金利とドル円が相関するという前提の下に取引していた参加者やプログラムにはディザスターだっただろう。筆者は早い段階からこの乖離に気づいていたが、当初は日銀のステルステーパリングのせいにしていた。ところが、日銀がステルステーパリング疑惑の払拭で満額回答を出しても円高ドル安は止まっていない。その後ムニューシン財務長官のドル安容認発言も材料視されたが、為替が金利を無視して口先介入だけで動くのは難しいので材料としては今ひとつだ。かつての日銀は実弾介入を行っても円高を食い止められなかった。続きを読む

 香港株が年初から香港上場の中国企業H株を中心に爆上げしている。H株指数は年初来19連騰。本ブログでは年初の展望で「新興国の中では利上げ耐性が強い中国を選好。上海株のパフォーマンスはいまいちだったがこちらは未だに割高であり、同じ企業群が上場している香港株指数を選好」と名指していた。ただ、「利上げ耐性がある」とは書いていたものの、「利上げ期待で暴騰する」とまでは予想できなかった。

 チャイナショックの時に政府の命令を受けてブルーチップを買支えた「国家隊」は売りに回っており、代わりにファンドや海外勢が高値を追っている。2016年年末に米国の金利上昇で金融株を始めとするバリューセクターが火を噴いてトリプル高になったのと同じ構図である。
HSI HSCEI
BoC PingAn

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 1月23日の日銀金融政策決定会合は久々に盛り上がった。1月9日の恣意的な国債買入れオペの減額に端を発した、円高を招いたステルステーパリング疑惑を払拭しようと、
「オペの金額やタイミングは、国債の需給環境や市場の動向などを 踏まえて、実務的に決定されるものです。従って、どのような状況であれ、日々 の国債買入れオペの運営が先行きの政策スタンスを示すことはないと言ってよいと思います」
「あくまでも、適切なイールドカーブを形成する観点から、必要なオペを行うということに尽きますので、その時々のオペの金額や タイミングが金融政策の先行きを示すものでは全くないということです」とわざわざ述べている。ステルステーパリング疑惑を打ち消してほしい人からすれば満額回答だろう。

日銀総裁、金融緩和の継続姿勢を強調:識者はこうみる

日銀の黒田東彦総裁は23日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価は「2%の目標になお距離がある」として、大規模な金融緩和を縮小する出口対応の局面に至っていないと指摘、現在の大規模な金融緩和を継続する姿勢を改めて強調した。市場関係者の見方は以下のとおり。●日本株の重し後退、タカ派織り込み一巡も ...

JPY
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FSA

 金融庁暴露本の著者が、コラム形式で世の中の投資話に一個一個ダメ出ししていくスタイルの本をまた出している。仮想通貨やICOを含めた、我々の視野に入っている最新の投資先の大半が網羅されていて驚いた。金融庁の中の人はここまで調べ上げているのか。ライフハックとしても役に立ちそうなので、ネタバレにならない程度にまとめてみた。小噺は飛ばしている。続きを読む

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